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抄録 2016年度 卒業論文 | 筑波大学 情報学群 | 知識情報・図書館学類

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Academic year: 2018

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グラフデータは情報のつながりを表現することに適したデータ構造であり,人間関係や 交通ネットワークの管理など幅広く利用されている.グラフデータの効率的なパターンマ ッチは,そうした実際の利用に応用できる重要な課題の一つである.

グラフデータにおける主なパターンマッチの定義として,部分グラフ同型問題(subgraph isomorphism)と模倣関係(graph simulation)の二つがある.部分グラフ同型問題は,発見し

たいパターンを定義したグラフ(以下,パターングラフ)と探索対象のグラフ(以下,デー タグラフ)が与えられたときに,データグラフに含まれるパターングラフと同型の部分グラ フを全て見つけるというもので,SNSの分析や化学式の類似構造の発見などに利用できる. 部分グラフ同型問題に関する先行研究として,Ullmannによって提案された初の実用的な アルゴリズムがある.また,近年ではUllmannのアルゴリズムを拡張する形でVF2,QuickSI,

GraphQL,GADDI,SPathといった多くのアルゴリズムが提案された.しかし,部分グラフ

同型問題はNP完全であり,上述のアルゴリズムを用いたとしても,この問題を解くには最 悪の場合指数時間を要する.

一方,模倣関係は,ウェブサイトの分類やソーシャルネットワーク上の役割の発見などに 利用される.この概念によるパターンマッチはHenzingerらの研究により多項式時間で計算 できることが示されている.しかし,模倣関係はパターングラフとデータグラフ間の対応を 関係として求めるため,解の構造がパターングラフと一致しないという問題がある.

そこで本論文では,まず部分グラフ同型問題と模倣関係を融合し,両者の利点を活かした 新たな概念を定義する.次に,定義した新概念に基づくパターンマッチングアルゴリズムを 提案する.具体的には,パターングラフのノードに対して,その中から部分グラフ同型問題 の定義を適用するノード(以下,キーノード)を任意に設定する.そして,キーノードに対 しては部分グラフ同型問題の定義,それ以外のノードに対しては模倣関係の定義を適用し たマッチングを行う.これにより本論文が提案するアルゴリズムは,部分グラフ同型問題と 比べて計算コストが低く,模倣関係と比べて解の構造がパターングラフと一致するマッチ ングを可能とする.ただし,よりパターングラフの構造と一致するノードとマッチさせるた めに,本研究では一般的な模倣関係の定義を拡張し,制約を強めた模倣関係を扱う.

提案アルゴリズムを実装し,ラベル付き有向グラフを対象とした評価実験を行った.その 結果,提案アルゴリズムが所望の動作効率でグラフデータにおけるパターンマッチを行え ることを確認した.

(指導教員 鈴木伸崇)

部分グラフ同型問題と模倣関係の融合

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